モンテカルロ市街戦

92年のモンテカルロのレースが、未だに引き合いに出されることに対し私は違和感を持つ。私はそのレースを観ていないと思う。つまらなくて途中で居眠りしていたのかも知れない。独走していたナイジェルが残り僅かでホイールトラブルでピットに入り、セナの逆転を許した。圧倒的な戦闘力の差がありながら、結局ナイジェルは二位に甘んじたレース。
決してセナのベストレースではないだろう。狭くて抜けずに数珠繋ぎというのはモンテカルロのレースを詰まらなくする状況だ。むしろ、ナイジェルのドライビングが意外と紳士的である証左かもしれない。
セナのモンテカルロなら84年トールマンで雨の中を追い上げか、88年の独走に終始し、ローズ出口でクラッシュしたレースではないか。
私の印象に残っているモンテカルロ市街地で最もエキサイティングなパッシングシーンは、91年、アレジがミラボープロストのインに入った周回だ。昔のことは知らない。ジルがどのようなドライビングだったか、私は写真で見ただけだ。