青少年保護

私はアメリカで生活したことがある。米国では州ごとに色々なルールが違う。私はカリフォルニアに住んでいた。消費税はカウンティ(郡)ごとに違っていた。自動車のナンバープレートや免許制度は州単位だったようだ。
成人向け雑誌の扱いも場所によって違っていたように思う。私の住んでいた町では成人向け雑誌が陳列してあるのは酒屋で、一般の書店ではレジの裏側に隠してあったらしい。
リトル東京に色々な日本語の通じる店があり、一部は円で買い物が出来るという看板が出ていた。
日本人観光客向けの商売をしている。
当時、観光客はポルノお土産にする様な風潮があったと思う。今なら、インターネットで様々な画像や動画が比較的自由に見られるが、インターネット以前は情報のやり取りに国境というか、通関手続きが厳然としてあった。アメリカのルールと日本のルールの違いが、リトルトウキョウの土産物店の着眼点である。具体的には、米国では陰部の露出に関するルールは緩い。性交そのものの描写も問題なかったはず。これらは日本では非合法で一般には入手困難、つまり、いわゆる「裏」もしくは「ウラ」であるが、米国では合法。米国ではお金を出せば自由に入手できる。だから、日本からロサンジェルスに辿り着いた観光客は、日本では手に入らず、現地で合法的なものを土産物店で買う訳である。購入した映像資料は米国内で再生する分には問題ないが、税関で没収の憂き目に遇う筈。何にしても違法なのだから、あんまり意味がないと思うが、ロサンジェルスの開放感が判断を迷わせるのだろう。
一方、リトルトウキョウの土産物店が警察のガサ入れを受けたというニュースを目にした。つまり、日本で合法扱いのものがアメリカで違法となる。要するに児童ポルノである。恐らく未成年がモデルであれば、裸体のみならず、水着を着けていても駄目なはず。日本で普通に出まわっているような映像資料が法律に違反する。
先日、沖縄で逮捕された海兵隊員のケースでも、日本とアメリカの意識の違いが浮き彫りになっていたように感じる。