サーキットが年々小さくなる

三十年ぶりに富士でフォーミュラワンが走る。1977年、もんどり打つフェラーリの腹に白い12本の排気管がとぐろを巻いていた。私とジルの出会い。当時、コーナーが僅か4つしかない。とレーサー達に揶揄されていた。それよりも更に昔には、1コーナーはまっすぐバンクに繋がっていた(らしい)。私はバンクを使ったレースは資料映像で見たのみである。
その後シケインの増設を経て、そして今年、F1を前に富士は新しく生まれ変わった。
サーキットは年々小さくなる。改修の度にランオフエリアが拡張される。スタジアムは動かないから、コースが内側に削られる。鈴鹿の1コーナーしかり、デグナーもそうだろう。富士の最終コーナーも見るも無惨な姿にぶった切られたように見える。ストップアンドゴーだ。かつての最終コーナーが好きだった。
ほとんど繋がらない富士スピードウェーのウエブページの解説によると、第14コーナー(ネッツコーナー?)がパッシングポイント。それから最終パナソニックコーナーの脱出速度がホームストレートの最高速に影響するって。なんと、15もコーナーがあるらしい。
実際にマシンの走りは見ていないが、何か、とてもつまらないコースになったように見えるのだが。
小さくなった富士で、フリープラクティスが行われた。ラップタイムを聞いて驚く。トップの平均速度が210km/hに達しない。因みに、昨年の鈴鹿のウイナーは53周を平均220km/hで走りきっている。鈴鹿の方が富士よりも高速なのだ。
時代は変わった。F1はより安全となり、サーキットは小さく。客席からコースまでの距離は遠くなった。