モンテカルロ市街地

モナコのレースは特別である。

フォーミュラワンのレースの中で特別扱いされている。何しろ、コースが狭い。そこを20台あまりのフォーミュラワンがレーシングスピードで駆け抜ける。気違い沙汰である。それを私は食い入るように見つめる。

平均速度が辛うじて150キロ毎時を越える。一雨くればレース時間は2時間以内とする規定に引っかかる。他のコースがいずれもレース距離300キロで争われるのに対して260キロ。コースの途中にトンネルがある。

車載カメラの映像は衝撃的である。打ちのめされる。

かつて、市街地レースは他にもいくつか行われていた。F-2ではポー、F3ではマカオ。F-1でもフェニックスやデトロイト、そしてロングビーチなど、アメリカ人はそのやり方を好むらしい。ショウアップはアメリプロスポーツの正義だ。

スパフランコルシャン、アデレイド、そしてルマンサルテも市街地を走り抜けるが、いずれもモンテカルロ市街地より遙かにまともだ。

クレージーだ。キチガイ沙汰だ。キチガイなどと書くと、ヤフーブログにはねられるかも知れない。

しかし、この馬鹿げたレースはこれからも続くだろう。誰も止めた方がよいとは言わないだろう。先だって、三宅島の復興を目的に、オートバイレースの提案は、危険を理由に厳しく批判された。モナコは?

伝統と格式。無くてはならないお祭りがモンテカルロ市街戦である。

いつの日か、私も観てみたい。走ってみたいとは云わない。