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見も知らぬ人に、何か言う。誉めるにせよ、批判するにせよ。

交差点で信号待ちをする。隣で止まっているバイクに何か言う。

「テールライトが切れていますよ」

これくらいなら大丈夫だろう。ライト切れは事実だ。場合によっては事故の原因になる。運転している本人は気がつきにくい。善意で教えてあげる。

かっこうよいバイクですね。

これも多分大丈夫だろう。客観的な事実を装って自分自身の嗜好を述べている。

「あなたの運転は乱暴で危ない。気をつけないと事故になるよ。」

これはどうか。相手が事故に遭わないように、誰かが巻き込まれないように、善意で忠告してあげているが、全く余計なお世話だろう。少なくとも、信号待ち中の話題には相応しくない。

「あなたのバイクの改造は違法だ。周りが迷惑に思うし、事故の原因にもなるから止めなさい」

どうだ。違法改造は事実を指摘している。後半は世の中のために善意で言っている。これも交差点で話題にすることではない。ライダーは違法を承知で改造している。事実を指摘しつつ、相手の理念やら嗜好に踏み込んでいる。

あなたはさっき、左折の時にウインカーを点け忘れていましたね。

事実を指摘している。ウインカーの点け忘れは時に事故に繋がる。しかし、これも余計なお世話だろう。今現在、消し忘れているという指摘ならするかもしれないが。

他人が管理するブログのコメント欄に何か書くとき、私は似たようなことを考える。私が何か書いたら、決まり切った返事がブログ主から返ってくるようなコメントが、あるべき姿だと思う。自分が何か意見を持ったとき、それ以外に大勢の読者が様々な意見を持つことを意識する。自分の書いたコメントが投げかける反響を考える。コメント欄のやりとりはあくまでブログ主と一対一でやるべきだ。他の人と論議したいなら自分のところでやればよい。フォントタグなども駆使してはいけない。なぜなら、そこはあなたが自説を主張する場所ではないからだ。