駅伝

EKIDENは英語になっている。駅伝というリレーで争われる長距離陸上ロードレースは日本独自のものであるから、海外でもEKIDENで通じる。20年以上前私が学生の頃、ナイキ社はエキデンレーサーというロードレース用ランニングシューズをラインアップしていた。

当時、京都の高校駅伝NHKが中継していた(男子のみ)。箱根の大学駅伝はNHK第一放送のラジオ中継のみ。実業団や出雲の駅伝などは、スポーツ中継の素材として見向きもされなかった。

そして、日本テレビが生中継を始めてから、駅伝を巡る雰囲気が変わった。視聴率を取れるスポーツイベントとして定着した。駅伝は妙な競技である。

おそらく、駅伝は陸上長距離選手にとってオフシーズンの娯楽の一種なのだ。私は競技スキーの夏季トレーニングとして駅伝を走った。正確には、夏季に他大学と交流するための駅伝大会である。対抗戦に勝つために一生懸命練習するのだが、あくまで駅伝そのものは娯楽、余暇である

日テレ・サッポロビールの中継は駅伝選手をスターにした。都大路で活躍し、箱根を走るというロードレーサーのステップが出来上がった。駅伝が大変な注目を集め、人材が集まっている筈なのに、男子長距離の世界との差は埋まらない。何か間違っていると私は思う。中継そのものには敬意を表す。選手たちも素晴らしいドラマを見せてくれる。しかし、駅伝は費やす努力に較べて、余りに得るものが少ないのではないか。

コマーシャリズムが競技そのものや参加する選手を惑わせる。